Portable Sounds / TobyMac

cafela2007-05-13

いやぁ、こいつは凄いわ。3月に入手して以来、何度も聞き返したけど、早くも今年のベスト・アルバムはコレで決まりそうな勢いだ・・・それほどまでに入れ込んでいるトビー・マックの最新作。わかりやすく説明すると、彼のサウンドは「ロック、ヒップホップ、ゴスペル、ソウル、ファンク、レゲエetc…様々な要素を取り込んだミクスチャー・ロック」といった感じ。感触としては、90年代に一世を風靡したシュガーレイとかスマッシュマウス辺りに近いかな。けど、この人の場合、まさにワン&オンリーと呼ぶのがふさわしい。これほど幅広い音楽要素を取り入れながら、素晴らしくポップなサウンドを作り出せるアーティストはなかなかいないでしょ。


僕が最初に彼のことを知ったのは、2004年の前作『Welcome to Diverse City』からヒットし、個人的にもお気に入りだった「Gone」という曲。結局、その時はアルバム購入には至らなかったんだけど、今作を聞いてから慌ててすべてのアルバムを揃えた。まったく、こんな凄い才能の持ち主だったとは!もっと早く出会いたかったよ。ちなみに、2001年のソロデビュー作『Momentum』は少しハードでラップが多い印象だけど、基本的には前2作も今回と同じ路線。でも、曲が粒ぞろいという点で今回の『Portable Sounds』が最高傑作だと思う。キャッチーかつファンキーなオープニングの「One World」から、ゴスペル界のカリスマ、カーク・フランクリンをゲストに迎えたラストの「Lose My Soul」まで、一気に駆け抜ける40分弱。パワフルなサウンドと熱いシャウトを聴いているだけでとにかく元気が出る。


DC TALKというクリスチャン・ロック・バンドの一員としてデビューし、2001年にソロ・デビューしたトビー・マックことトビー・マッキーハン。バンド時代からずっとCCM(CONTEMPORARY CHRISTIAN MUSIC)の世界で活動していて、ソロ活動を始めてからもそこは変わっていない。要するに、どんなにハードなサウンドのロックだろうが、バリバリのヒップホップだろうが、歌詞は基本的にゴスペルに通じる世界。今回のアルバムは全米アルバム・チャートで初登場10位、全米クリスチャン・アルバム・チャートでは初登場1位に輝いている。これだけジャンルを超越したアルバムが(本来は保守的なハズの)CCMなのは不思議な気もするけど、逆にCCMだからこそ音楽的には冒険できるのかもね。ホント、こういうアルバムを聴くと、クリスチャンの人たちがうらやましくなるね。