雑食万歳! JAMIE CULLUM@渋谷クラブ・クアトロ

cafela2006-06-13

いやはや、もう「サイコー!」という言葉しか出てこない。「彼のライブはスゴイ」と噂には聞いていたけど、これほどだとは思わなかった。心地良い感動にカラダが震えて思わず笑みがこぼれるほどのパフォーマンス。間違いなく今年観たライブの中でベスト。いや、これまで体験したライブの中でもTOP 5には入るかも知れない。そんなジェイミー・カラムの日本ツアー最終日。


もちろん、新進気鋭のジャズ・ピアニスト兼シンガーとしてデビューしただけあって、ピアノ・プレイも素晴らしいし、2時間以上歌ってもほとんど衰えない歌唱力もいい。でも、何より素晴らしいのは、彼のライブに対する全力投球っぷり。お客を楽しませるのと同時に彼自身も楽しんでいるのが大いに伝わってくる。表現方法も実に多彩で、ピアノを弾く、叩く、ピアノに乗る(そりゃピアノも壊れます)、ターンテーブルでスクラッチをカマす、自分のヒューマン・ビート・ボックスをその場でサンプリングしてループさせる、ギターを弾く、パーカッションを叩く・・・もうなんでもアリ。聴かせるところはちゃんと聴かせるし、決して荒っぽいパフォーマンスではないんだけど、彼の熱演と心底楽しそうな表情に観客はみんな引き込まれていく。バンドのメンバーも芸達者で、少年のように弾けるジェイミーを上手くフォローしつつ、一緒に盛り上がる。


そして、音楽性の幅広さ、好奇心の旺盛さも凄い。「ジャンルに拘らずに聴きます」なんて言って実際はそうじゃない人も多いけど、ジェイミーは違う。カバー曲にしても、これまでレコーディングもしているPharrellの「Flontin’」やRADIOHEADはもちろん、AMERIEの「1 Thing」、KANYE WEST feat. JAMIE FOXXの「Gold Digger」といった曲のフレーズも飛び出し、さらにはELTON JOHNからWHITE STRIPESまでやっちゃう。もちろんベースにはジャズの素養があるんだろうけど、こんなアーティストをジャズのコーナーに閉じこめておくのはもったいなさ過ぎるよ。ま、もうすでにはみ出ちゃってるけど。


終演後は、あちこちで「凄かった!」とか「楽しかった!」という声が飛び交っていたけど、あのパフォーマンスなら、みんなチケット代は十二分に元が取れたはず。それで「ジェイミー・カラムのライブ、もの凄く良かったよ!」と周りに宣伝して、彼のライブの評判はさらに広まっていくんだろうな。