ライブ三昧な日々

cafela2006-05-31

なぜか最近ライブづいておりまして、この日はなんとダブルヘッダー
おかげで週末のシゴトに支障が出て、土曜日は冷や汗をかきました。


ELVIS COSTELLO & ALLEN TOUSSAINT + 中島美嘉@品川教会


ダブルヘッダーの1本目は、午後2時から行われたなんとも言い難い組み合わせのイベント。エルヴィス・コステロアラン・トゥーサンはデュオ・アルバムを出したばかりで、中島美嘉はもうすぐアラン・トゥーサンがプロデュースしたニューオーリンズ・レコーディングのニューシングルを出す。理屈としては繋がるものの、この2つが1つのイベントになるとは思わなかった。しかも、会場は教会で司会はピーター・バラカンだ。


ラジオ業界などではアンチも多いみかたんだけど、僕は好印象を持っている。音や楽曲は大人の鑑賞にも堪えうる丁寧な作りだし、歌の上手さはともかく声は確実に引っかかる(あと、ルックスも好き・・・)。今回の曲も、ゴスペルとニューオーリンズサウンドを取り入れたJ-POPとしては及第点。アラン・トゥーサンと共演したパフォーマンスも無難なものだった。でも、どうしても違和感が残るのはしょうがない。特にピーター・バラカンとの質問コーナーは見ているこっちが緊張した。彼は彼女のことをどう感じたんだろう。ぜひ本音を聞いてみたい。コステロとトゥーサンを観に来たであろう業界人たちの視線も確実に冷めていて、彼女とバックのゴスペル隊が♪ALL HANDS TOGETHER!と歌いながら手を鳴らしてもまったく無反応だった。ま、この手のイベントではよくある光景だ。


そして、コステロとアランのデュオ。生で観るコステロは3度目だったんだけど、今回も手抜きナシ。さすがに、いきなり客席へ下りて観客にコーラスを歌わせようとしたのは失敗に終わる。すれまくっている日本の業界人たちがそれぐらいで声を発するわけがない。けど、最後の最後では全員を立ち上がらせてしまうんだから、やはり彼のパフォーマンスは素晴らしい。歌も上手いし、圧倒的な声量もある。観客の心を掴む術も心得ている。ピーター・バラカンによる少し暴走気味(?)の質疑応答も良かったのか、その後さらに予定外の3曲を歌ってくれるサービスぶり。エルヴィス・コステロというのはTOTOファンとしては素直に認められないアーティストだけど、凄い物は凄い。単純にそう思う。


・JOE@恵比寿リキッドルーム


品川から帰った後、恵比寿へジョーを観に行く。新作が出たわけではない微妙なタイミングでの来日。20時開演のはずが、例のごとくポジティブ・プロダクション(呼び屋)所属のアーティストが長々と前座をやって、その後ジョーが登場する。結局、始まった時には21時を回っていた。彼のライブはこのクラスの箱なら毎回ほぼ満杯になるが、今回はなぜか男性のみの客が多かったような気がした。もちろん黄色い声は会場全体を包み込んでいたのだが。


では、今回の良かった点から・・・僕がこれまで観た中で最もジョーの声が出ていたライブだったと思う。音の分離が良かったせいもあるかな。これまで生でマトモに歌っているのを聴いたことがなかった「ALL THE THINGS」の一番高いパートも、比較的ちゃんと歌っていた。これは本当に良かった。で、待望の新曲も(たしか2曲)聴けた。どれもHIP HOP寄りのトラックで、そのうちの1曲はA TRIBE CALLED QUEST「ELECTRIC RELAXATION」を使った曲。残念ながら一聴して引っかかるような曲はなかったけど、ちゃんと新作の予定があるとわかっただけでも大収穫だった。


続いては、良くなかった点。まず、メドレーが多すぎ! 「ALL THE THINGS」、「I WANNA KNOW」、そしてアンコールの2曲以外はほとんどが1コーラスないし2コーラスのみの演奏で、ライブ自体もアンコール込みで1時間ちょっとという短さ。時間の割に曲数は多かったけど、1曲1曲をもっと聴きたいと思った人が多いはず。ま、大阪ではブルーノートでやるみたいだから、それ用のアレンジかも知れないけどね。それに、新曲を除くと、以前(前作『AND THEN…』のリリース直前に)観た来日公演とほぼセットリストが同じ! アンコールで「NO ONE ELSE COMES CLOSE」と「ALL THAT I AM」をしっとりと歌うのも前回と変わらず。両方とも好きな曲だから十分に楽しんだけど、本編が終わった段階でアンコールの曲目が予想できてしまうのはちょっとね。


あとは、バック・メンバーにも多いに不満。たしか、ドラム、キーボード2人(1人はベース)、ギター+時々出てくる数人のダンサーという編成だったけど、ジョーのライブはバラードも多いから、ハッキリ言ってダンサーはいらない。その分、コーラス要員を連れてきて、テープで出していたコーラス・パートを生で歌って欲しかった。R&Bのライブではメイン・シンガーがサビの主旋律を歌うことはあまりないので、それがテープだと生っぽさが半減する。まぁ、コーラスがテープというのもR&Bのライブにはよくあることなんだけど。。。過去に何度も観ているからこそ辛口な評価になってしまったけど、次回の来日では、ニューアルバムを引っさげて新鮮味とヴォリュームのあるライブをたのんます!