Corinne Bailey Rae / Corinne Bailey Rae

cafela2006-03-12

今、脳内の「OLさんのiPodに入っていて欲しいアルバム・ランキング」でダントツの1位なのがこれ! いや、iPodじゃないな、「休日の昼下がり、少し窓を開けて紅茶でも飲みながら聴いて欲しいアルバム・ランキング」かな。まあいいや、とにかくこの春の個人的なイチオシであるイギリスのシンガーソングライター、CORINNE BAILEY RAEのデビューアルバムがいよいよリリースされたわけです。ちょっと読みにくい名前ですが、カタカナ表記は「コリーヌ・ベイリー・レイ」でいくみたい。ちなみにSWING OUT SISTER のコリーンもCORINNEなんで、綴りは一緒なんだけどね。


コリーヌ嬢がまず注目されたのは、イギリスの国営放送BBCが毎年1月に発表している「今年ブレイクしそうな新人アーティスト」のランキング(「SOUND OF 2006」)。実は、このランキングで今年の1位に選ばれたのがこの人だったんですね。まぁ、日本では都合の良い時にしか紹介されないこのランキングだけど、例年、的確な予想には定評があって、今回のコリーヌ・ベイリー・レイに関しては大当たり!となりそう。最新シングルの「Put Your Records On」はUKシングル・チャートで初登場2位、アルバムはUKアルバム・チャートで初登場1位になってるから凄い。


とは言え、僕も「SOUND OF 2006」のランキングを見た時にはまったく存在を知らず、その後聴いた「Put Your Records On」に衝撃を受けて、「あ、この人がそうか!」と納得した次第。実に良い曲を書く人だけど、特にこの曲は名曲と呼ぶに相応しい出来だと思う。柔らかいメロディ&丁寧なアレンジに加えて、とにかく歌詞が秀逸。穏やかな励ましのメッセージは女性に向けたものだけど、男性にも確実に響いてくる。僕が勝手に「21世紀のYou Gotta Be」というキャッチコピーをつけておいたので、誰か使ってくれませんか。


で、今、Des'reeの名曲を引き合いに出したけど、彼女の音楽はまさにデズリーやガブリエル直系のアコースティックなUKソウル。「聴いただけでとろけそう」とまで絶賛されている歌声はエリカ・バドゥに通ずる雰囲気もあるけど、エリカほどエキセントリックじゃなく、聴き手を選ばない(良い意味での)優等生的な雰囲気が感じられる。音楽性も70年代ソウルに洗練された打ち込みのビートとUKらしいポップ・センスを加えたもので、本人によるアコースティック・ギターを基本にストリングやホーン、エレピなどを巧みに配したアレンジが素晴らしい。地味になってもおかしくない音楽なのに、アレンジのおかげで軽やかな春っぽい仕上がりになっている。


また、先述の「Put Your Records On」を筆頭に曲も粒ぞろい。個人的には、ギターのカッティングが気持ち良すぎる6曲目「Call Me When You Get This」辺りが特にオススメだけど、飛ばすような曲は1つも入ってないし、適度なメリハリがあって最後まで飽きずに楽しめる。うん、これは「毎年、春になると聴きたくなる」そんなアルバムになるのは間違いない。すでに外資系CDショップでは大展開中だけど、確実に日本人好みだから、今後のプロモーション次第ではもっともっと話題になるはず。僕も現在、誰に頼まれたわけでもないのに大プッシュ中。♪Maybe sometimes, we got it wrong, but it's alright...とりあえず今月いっぱいは仕事を頑張りますか。