GROWN & SEXY / BABYFACE

cafela2005-08-23

日本盤のリリースがなぜか9月なので、
店頭に並ぶ輸入盤を横目で睨む日々が続いたけど、
ようやく聴くことができた。


繊細なメロディに
丁寧なサウンドとコーラス・ワークが絡み合うベイビーフェイスの音楽は、
まるで極上のミルクレープのようだと思う。
これまでリリースされたどのアルバムも大好き。
でも、このアルバムは特別な気がする。
聞き始めたら最後、胸がキュンキュン言い出して止まらない。
今回のベイビーフェイスは堪らなく良い。


なんと言っても、派手な仕掛けやゲストに頼らず、
100%曲の出来のみで勝負しているのがイイ。
どこを切ってもベイビーフェイス節全開の美麗なメロディばかりで、
1曲たりとも飛ばす必要はないし、
ミディアムとバラードのみで構成されているから、
最初から最後まで思う存分ドップリと浸ることができる。


まず耳に残るのは1曲目の「Tonight It's Going Down」。
最初のサビだけでも良いのに、さらに転調してもう1つのサビが来るのが最高!
初めて聴いた時からメロメロになってしまった。
R&B界広しと言えども、今時こんなに美しい展開の曲を作るのは、
彼とブライアン・マックナイトぐらいだろう。
それにエフェクトをかけた自分の声との掛け合い(他の曲でも聴ける)も面白いね。


前作『FACE 2 FACE』で目立った
カーティス・メイフィールドを意識したようなネットリとした歌い方は、
今作に関してはラストの「Getting To Know You」など数曲で聴けるのみ。
また、『The Day』のようなアコースティック路線も後半の数曲のみで、
『Tender Lover(の後半)』と『For The Cool In You』が特に好きな僕としては、
文句のつけようがない。


ベイビーフェイスというアーティストに求める要素が全部詰まった今回のアルバム、
個人的には彼の最高傑作だと思う。
まあ、贅沢を言うなら、「Sweet November」や「When Can I See You」、
「What If」クラスの"ヒリヒリするぐらい切ないラブソング"があれば完璧だったけど・・・


最近はヒットにもあまり恵まれず、
仕事量も減っているから少し心配だったけど、やっぱ凄い人だわ。