Never Gone / Backstreet Boys

月曜日から聴き倒してるけど、今回もいいよ。

いや、アルバムの完成度という点では過去最高かも知れない。
『ミレニアム』も『ブラック＆ブルー』も後半に行くにつれて、
明らかに捨て曲が出てきて締まりがない印象だったけど、
今回は最後までキッチリと作り込まれている。
日本盤ボーナス・トラックの曲もかなりいいしね。
キラーチューンはないかも知れないけど、曲の出来はどれもいい。
まあ、彼らの元に集まる曲が悪いわけがないんだけど。

いろんなところで言われているように、
確かにロックっぽいサウンドが多め。
打ち込みが目立つダンス・ポップは１曲も入っていない。
でも、ハード目なのは、「My Beautiful Woman」ぐらいで、
後はAAA系統のポップ・ロックって印象。
ニックのソロ・アルバムに近いものの、完成度は格段に高い。

が、１つだけ残念なことがある。
それは、僕が大好きなブライアンのソロ・パートは減ってしまったこと。
なんと、ファースト・シングルの「Incomplete」なんて、ブライアンのソロがまったくない！
これまでシングルの歌い出しはほとんど彼だったのに・・・。

でも、ブライアンが冷遇されているのは、この音だとしょうがないのかも。
ギターが多めに鳴っているような音だと、
繊細な歌い回しが持ち味のブライアンの歌は埋もれてしまう可能性が高い。
ましてや、ハーウィーだともっと辛い・・・。
そうなると、必然的にハスキーな高音が突き抜けるニック、
もしくは、太い声のAJがメインを歌うことになるわけで。

で、何度か聴いているうちに、今回のアルバムは別に新しい音ではないけど、
今のアメリカの音楽シーンには存在しない音だと思った。
その理由はバックス特有のコーラス・ワーク。

ただ単にできないのか、カッコ悪いと思うからやらないのか（おそらくその両方だが）、
今のロック・バンドって、ほとんどコーラスをやらない。
でも、ロックっぽくなっても、バックスのコーラス・ワークは変わらなかった。
AAA系のロックで分厚いコーラスが乗る音楽なんて、今は誰もやっていないでしょ？
このアルバムを聴いていて、どこか新鮮な感じがするのはきっとそれが理由だ。

あ・・・でも、あえていうなら、
同じくらいメロディが良くてコーラスも分厚いデフ・レパードに似ているかな。
特に、音が丸く落ち着いたレップスの最新作はこのアルバムにかなり近いような気がする。

何はともあれ、本当にいいアルバムで良かった。
あとは、アメリカで売れることを祈るばかりだ。