Carnival Ride / Carrie Underwood

cafela2007-11-29

アメリカン・アイドルで優勝、さらにグラミーの新人賞にも輝くという、これ以上ない大ネタがあったにも関わらず、なぜかデビューアルバムの日本盤リリースが見送られてしまったCarrie Underwood。その理由はどうやら「カントリーだから」ってことらしいけど、なんか納得いかないな。U社とかW社ならともかく、B社なら、B社なら、大々的に売り出してくれると信じてたのに! 普段はもっと売れそうもないアーティストでも日本盤出してるくせに何やってんだよぉ!(なまいきゆうてすんません)。。。そう言えば、確か今年の初め頃だったかな、一時期、渋谷センター街にキャリーたんが写ってるでっかいVansの広告が掛かってたっけ。でも、あれを見て彼女が何者かわかった人は果たしてどれだけいたんだろう。


そもそも「カントリーは日本では受けない」ってのはホントなんだろうか? そりゃ、ブルーグラスとか気合いの入ったヤツはダメだろうけど、キャリー・アンダーウッドがやってるのはいわゆるポップ・カントリーで、曲にもよるけど、せいぜいフェイス・ヒルシャナイア・トゥウェインのポップ・アルバムよりちょっと濃いぐらい。音楽好きが聞けば少しバンジョーフィドルが耳につくかも知れないけど、あらかじめ"カントリー"だと言われない限り、ほとんどの人には普通のポップ・ロックにしか聞こえないはず。例えば、デビューアルバムのタイトル曲「Some Hearts」なんかカントリー濃度0%で、あれに比べれば最近のシェリル・クロウの方がよほどカントリー臭いわ!!要するに大切なのはジャンルではなく、メロディーとヴォーカルの良さ。つまり、「カントリーだから」ってのは日本盤を出さない理由にはならないと思うのだ。そう言えば、今年の1月に出たキース・アーバンの最新アルバムは、カントリーの「カ」の字も出さずに、ひたすら「ニコール・キッドマンを射止めたイケメン・ロッカー」で押し切ってプロモーションしてたな。まぁ、キースのアルバムはそんなに売れたようには見えなかったけど、そういうやり方もあるってこと。


さて、そんなキャリー・アンダーウッドの2ndアルバムがこの『Carnival Ride』。当然のように全米アルバム・チャートでNO.1になるのを横目で見つつ、実は購入するかどうか迷ってたんだけど、1stシングルの「So Small」が素晴らしかったのでポチることにした。「愛がすべてだってわかったら、それ以外のことはちっぽけに感じるものよ」(意訳)なんて日本語にすると臭くなっちゃうんだけど、これは本当に良い曲。そして、この曲以外にもバラード、アップ共になかなかの佳曲揃い。前作同様、確かに味付けはカントリーだけど、どの曲も土の香りは控えめで普通のポップ・ロックとして楽しめる。それにしても、この人の堂々とした歌いっぷりは相変わらずお見事。ヘタなR&Bシンガーより、よっぽどソウルフルで声量も表現力もある。カントリーも悪かないけど、いつかブルーアイド・ソウルかコンテンポラリー・ゴスペルのアルバムを作ってくれないかな。