BOBBY CALDWELL ”PERFECT ISLAND NIGHTS”

cafela2005-02-27

今週よく聴いていたのが、
ボビー・コールドウェルが実に10年ぶりに出したAORアルバム
『PERFECT ISLAND NIGHTS』。


今でこそ幅広くいろんなもんに手を出しているけど、
僕の音楽生活の原点にあるのはAOR
特に、ボビーの初期3枚&『HEART OF MINE』はバイブルのような存在。
仕事に疲れているせいか、最近、再びAOR回帰傾向だったりして、
今回のアルバムもかなり楽しみにしていた。


ちなみに、10年前の『SOUL SURVIVOR』は、
曲がピンとこなくて、個人的にはあまりハマれなかったアルバムだった。
そして、その後出たスタンダード・スタイルのジャズ・アルバム2枚は、
CDショップで手にとってみたものの、結局買わずに終わっている。


でも、今回は『WHERE IS LOVE』以来、久々にハマれそうなアルバムだと思う。
艶やかなヴォーカル&コーラスは相変わらず素晴らしいし、
トロピカルな味付けもなかなか。
なにより長い間待たされただけあって曲の出来がいい。
何年か前、高橋真梨子に提供した「Everytime You Say My Name」もホントにいい曲だったし、
メロディ・メイカーとしてのボビーは、今でもやっぱり凄い人だわ。


ところが、今回のアルバムに関して、大いに不満な点がある。
ハッキリ言って、音が古臭い!


いつもながら、生っぽいニュアンスを最大限に引き出そうとする、
緻密な打ち込みは素晴らしいと思う。
しかし、デジタル楽器の音色は完全にアウト・オブ・デイト。
あと、今回はいつになくヴォーカルのバランスがデカイような気がする。


ひょっとしてこの人、80年代の終わりごろから、
使っている機材がほとんど変わってないのかも。そんな気がしてならない。
打ち込みって生楽器よりも時代性が強く出るから、
新譜なのに、音だけ聴くと昔のアルバムみたいだ。
しかも、今『SOLID GORUND』を聴く以上に、この新作の音は古くさい気がする。


曲作りと選曲、アレンジまでは本人がやってもいいんだけど、
デジタル楽器の音色選びとミキシングに関しては、
今のR&B or スムーズ・ジャズ畑で活躍している、
もう少し新しい感覚を持った人に任せることはできないんだろうか。
もしくは、AORアルバムも全部生音でレコーディングするか。


予算の問題か
すべてを自分でコントロールしようとする完全主義が裏目に出ているのか、
そのどちらかだとは思うけど、もう少しなんとかしてほしい。
ファンだからこそ、歯がゆくてしょうがない。


それとも、こんな感想を抱くのは、
単に僕がR&BやHIP HOPのサウンドに慣れてしまったから?